カブトムシの幼虫(手のひら)

「どうやって育てるの!?」
「どんな道具が必要なの?費用はどのくらいかかるの?」

私が初心者の時にカブトムシを育てようと思い、いろんな疑問がありました。

よく飼育していると聞くけど、実際には何も知らない・・

そんな疑問を解決する、カブトムシの幼虫の手間をかけずに育てる方法を説明します。

何をしなければいけないのか

カブトムシの幼虫の育て方は何をするの?

幼虫期間のスケジュール

まず何をしなくてはならないのかを説明します。

カブトムシの幼虫飼育は結構簡単で、ほったらかしにして、たまにエサ交換をしてあげるという感じです。

幼虫期間の大まかな状態を表に記載してみます。

状態時期期間作業内容
たまご
カブトムシのたまご
7~9月約10~14日そっと見守る
幼虫
カブトムシの幼虫
8~5月約9か月マット交換、水やり
さなぎ
カブトムシのさなぎ
5~7月約1か月そっと見守る

たまごから幼虫にふ化するまでは、出来るだけそっと見守り、マットを混ぜたりしない方が良いです。

マットとは、幼虫のエサとなるものです。(詳細については後述)

幼虫になってからは、定期的にマットの交換や水やりを行います。

交換する間隔は、1~2か月に1回行い、寒くなる時期は幼虫の活動が少なくなり、エサを食べなくなります。
温かくなるまで交換は不要となります。

マットが乾いている場合は、水やりも必要となります。

さなぎとなったら、マット交換はせずに、またそっと見守ります。

マット交換のタイミング

マットを交換するタイミングはどのように見分ければよいかを説明します。

幼虫はエサを食べて、フンをいっぱいします。
マットの上にもフンをするようになり、ものすごく溜まってきます。

もしこのようになったら、マット交換のサインです。

フンは、黒っぽい固まりとなっていて、大きいもので1cmくらいはあると思います。

これが、マットの上に目いっぱい溜まっていたら交換してあげて下さい。

もちろん、このような状態になる前に交換してあげた方が、たくさん食べて成長してくれると思います。

思った以上に早くフンがたまり、気づいたらフンだらけだったということがよくあります。

マット交換の注意点

注意点として、4月以降はマットの交換や水やりは避けた方が良いです。

なぜかと言うと大体5月くらいからさなぎになり始めます。

その前準備として蛹室(ようしつ)というさなぎの期間に過ごす穴を作り始めます。

マット交換をする時にこの穴を壊してしまう可能性があるからです。

ですので、この期間には加水もせず(蛹室が壊れやすくなるので)交換するのもやめておいた方が良いでしょう。

私のマット交換している目安

私が行っている交換目安は、たまごからふ化してから、下記の5回程度で行っています。

  • 2か月後(10月)
  • 3か月後(11月)
  • 4か月後(12月上旬)
  • 6か月後(2月下旬)
  • 7か月後(3月下旬)

必要な道具について

幼虫飼育に必要な道具

幼虫飼育で必要になるものをピックアップします。

  • 幼虫を入れる飼育ケース
  • マット(腐葉土「ふようど」もしくは幼虫エサマット)
  • マットを混ぜるタライもしくは、バケツ
  • 園芸用のフルイ(マットとフンを分ける為に使用)
  • 新聞紙もしくは、虫よけシート
  • 霧吹き

カブトムシの幼虫のエサとなるマット(詳細については後述)をケースに入れて飼育を行います。

この2つは必ず必要です。
他のものはあると便利で全て100円ショップなどで購入できます。

マットを飼育ケースに入れる際にある程度の湿り気が必要となりますので、大きなタライやバケツを用意しそこで混ぜ合わせます。

幼虫は大量にフンをします。
マットの交換を行う時に、そのまま全てを替えてしまうと、もったいないので園芸用のフルイを使ってフンとマットを分けます。

フルイは園芸用の砂を分離するもので、荒いものや細かいものがあり、細かいものを使用するときれいにフンを取り除くことが出来ます。

新聞紙は、飼育ケースにふたをする時に、間に挟みこむとコバエの侵入と乾燥を防ぐので便利です。

虫よけシートがあれば、こちらの方が破れたりしにくいので使い勝手は良いです。

霧吹きはマットが乾いてきた時に細かく加水できるので便利です。

飼育ケースとマットについて事項でさらに詳しく説明します。

飼育ケースについて

カブトムシの飼育ケース

飼育ケースの種類

飼育ケースにはさまざまな大きさと種類があります。

まず大きさですが、とても注意が必要です。
飼育するケースと幼虫の頭数が合っていないと小さなカブトムシとなってしまいます。

カブトムシの大きさは幼虫の時にどれだけ育ったかで決まり、成虫になってからは大きくはなりません。

幼虫1頭あたり、小さいうちはプリンカップ程度のスペースがあれば十分です。

最終的には「ペットボトル2リットル」の半分より上くらい(15cm以上)まで入れたスペースが必要だと思ってください。

もちろん最初から大きなケースで管理しなくても大丈夫です。

大きくなるにつれて移したり、マットの量を増やしていっても問題ありません。

例えば、横30cm、奥行18cm、高さ20cmのケースだとしたら最終的には3頭程度が理想的だと思います。

飼育ケースのふたについて

次にケースのふたの形状についてです。
通常ですと穴が開いているケースが一般的で良く売っていると思います。

しかしコバエが侵入して増えてしまうことや、乾燥しやすくなってしまいます。

ふたの穴部分がフィルターになっていてコバエの侵入を防いでくれるケースもあります。

幼虫を管理する手間を省きたい場合は、ふたがコバエを防ぐ構造になっていて、通気口が小さいものやフィルターになっているものを勧めします。

これにすることによりマットの乾燥がしにくくなり加水を行う頻度も少なくなると思います。

今あるケースで飼育したい人や費用を抑えたい方は、ケースとふたの間に新聞紙などを挟んで管理するのが良いと思います。

おすすめの飼育ケース

私の管理方法として、ダイソー(100円ショップ)で購入した400円のふた付き収納ボックス(20L)に入れて飼育をしています。

これに空気穴として上部に20か所くらい小さな穴を空けて新聞紙を間に挟んでいます。

幼虫が小さいうちは、20~30頭程度いれ、大きくなるに従い別の収納ボックスに入れ替えていきます。

スペースが足りなくなってきた場合は、ペットボトル2リットルの上部を切ったものに移し替えています。

最終的には6~7頭くらいとなります。

この管理方法を行っていますが、マット交換時以外は加水をしたことはありません

手間が省ける上に費用もかからないので、とてもおすすめです。

マット(腐葉土)ついて

カブトムシのマット(腐葉土)

マットとは

マットとは、幼虫が食べるエサのことになります。

自然界のカブトムシの幼虫は、葉っぱや朽ち木などが腐って肥料のような状態になった腐葉土(ふようど)を食べて成長しています。

土と似ているので、その辺から取ってきて入れれば良いと勘違いする人もいますが、栄養豊富なエサとなるマットをあげて下さい。

マットはカブトムシ用に作られたもので、ホームセンターなどでよく売られています。

園芸用の腐葉土もありますが、農薬を使用しているものもありますので、避けた方が無難です。

出来れば、カブトムシ専用のマットを使用するのが安全だと思います。

発酵について

腐葉土やカブトムシ用のマットは、大体発酵された状態で売られています。

このマットを使用する時に、再度、発酵(再発酵)が起きる場合があります。

起きてしまうとマット内でガスが充満して、熱を発します。

こうなると
熱で弱ってしまったり、死んでしまう可能性があります

再発酵が起きている時は、土の中の温度が高くなり、鼻に付くような嫌な臭いがしたりします。

基本的には、マットに加水をしてから、幼虫を入れるまで2〜3日様子を見てから入れてあげるのが良いと思います。

もし再発酵が起きてしまった場合は、一度マットをタライなどに広げて数日間放置し、やり直す必要があります。

マットの状態や種類にもよりますが、気温が高い時期や混ぜる量が多い場合に再発酵が起きやすくなります。

ただ、面倒でやらない人も結構います。
私もそのまま入れてしまう事が多いです。

そのような時は、念のため入れてから臭いや温度に注意をするようにしています。

マットの水分調整

そのまま使えるものと水分の調整を行う必要があるものがあります。

保存してあった状態にもよりますが、大体調整が必要となります。

大きなタライなどにマットを出して全体に水を馴染ませます。

マットをギュっと握り、軽く固り水が染み出てこない程度にします。

手のひらで軽く転がして崩れず、指先で突くと簡単に砕けるくらいが丁度良いです。

おすすめマット

私が使用しているマットは下記の2つがあります。

  • 月夜野きのこ園の「きのこMat」
    価格550円 ネット購入
  • カインズの「カブト育成マット」
    価格598円 店舗購入

    ※2020年9月9日時点の価格


理由として、単価が安いのと近くのホームセンターで売っているからです。

私の場合は他の物を注文しているので、送料が安く済むので「きのこMat」を優先的に使用しています。

自宅に保存してあるマットがない時に、ホームセンターで追加で購入をします。

その時にはマットは混ぜて使用しています。

どのくらいの費用がかかるのか

カブトムシを飼育する費用

カブトムシの幼虫を育てるのに一番かかる費用は、マット代になります。

一番食べる時期は、1か月に2リットルものマットを食べます。

あの小さな幼虫がペットボトル2リットル分を食べているとは驚きです。

ここでは、成虫になるまでに使用するマットだけの費用を計算したいと思います。

いつも大体の感覚でマットを交換しているので、覚えている記憶で算出しています。

条件を下記とします。

  • 使用マット(1袋10リットル 550円)
  • 幼虫の頭数(15匹)
  • マットは再利用

マット550円×12袋=6,600円
(1頭あたり440円)

どのくらいのスペースで管理し、マット交換をどの程度するかで変わりますが、1頭あたり400~500円程度のマット代がかかる計算となります。

成虫飼育も含めた費用についてまとめた記事もあります

管理場所と温度管理(昼間の気温に注意)

温度管理

管理場所と温度について

直射日光が当たらない場所で、温度変化が出来るだけ少ない場所が適しています。

できれば屋内で管理するのが一番問題が起こらないと思います。

玄関などに置いている方が多いのではないでしょうか。

屋外で管理する場合は、雨風に当たらずアリなどが入らない工夫と夏場の高温、冬場の凍結に注意が必要です。

国産のカブトムシは、日本の気候に順応しているので、あまり気にせずとも元気に育ってくれます。

しかし、35度以上や5度以下になる場合は、弱ってしまう可能性があるので注意が必要です。

あまりに寒くなる場合は、段ボールなどに飼育ケースを入れ、回りに新聞紙を敷き詰めて保温してあげるのが良いと思います。

日中に締め切りになり高温になる場合や数日間家を空けて高温の状態が続くようでしたら、扇風機を当ててあげるなどの対策をすることをお勧めします。

わたしの飼育環境

私の管理方法としては、夏場はリビングで、その他の時期は納戸(物置部屋)に置いています。

暑くなる時期はなるべく高温の状態を避けるために、エアコンを使用している部屋で管理しています。

温度変化が多くなってしまいますが、暑い状態が続くよりは良いと考えています。

大体の感覚ですが、夏場は27~35度、冬場は最低で10~12度くらいだと思います。

冬場はそこまで寒くはなりませんが、夏場はかなり高温になっています。

これは日中の暑い時間帯にエアコンを使用していない状態です。

1日中暑い訳ではないですし、極端に弱ってしまったということもなく、何気にすくすくと育ってくれています。

その他の注意点

注意点

マットについては、1つ注意点があります。

初心者だったころ、冬間近に追加のマットを購入しにホームセンターに行きました。

「商品の配置が変わっている!?」

「いやいや、カブトムシコーナーがなくなっている!!」

そうです。
夏を過ぎると店頭で置かなくなるんです。

私も始めた当初は、急いで数店舗をはしごし、かき集めた記憶があります。

今では、1年中取り扱いがある大きなホームセンターを見つけたので、必要な時に買えるし、ネットでの購入が主になっているので問題はなくなりました。

もしネット購入ではなく、店頭で揃える方は、1年中の取り扱いがあるかなど調べておいた方が良いと思います。

まとめ

カブトムシの幼虫飼育について、意外と簡単に出来そうだなと感じて貰えたと思います。

何点かに気を付ければ立派に成長してくれると思います。

  • 飼育ケースと幼虫の頭数を考える
  • マットの交換を適切にしてあげる
  • さなぎになったらそっとしておく


管理方法が私と似ていれば、マットの交換時期を注意するくらいで、あとはほったらかしで大丈夫です。

カブトムシの幼虫は、どんどん大きくなっていくので見ていてとても楽しいです。

ぜひあなたもチャレンジしてみて下さい。