オオクワガタの飼育環境

えっ!?温度管理なんて必要なの?
カブトムシと一緒で適当で良いじゃないの?

そうです。もし大型のオオクワガタを育てたいと考えているなら温度管理は必須になります。


もちろん、温度管理をしていなくても、室内であれば問題なく飼育することが出来ますし、自然に近い環境でもあります。

しかし、温度管理をすることで、より大きく育てることが出来るのです。


それも、飼育期間も少なくなるなど、ポイントを知っているかどうかでかなりの違いが出てきます。

今回は、飼育方法についてや飼育環境について説明したいと思います。

育てる方法

オオクワガタの幼虫を育てる場合の方法として、材飼育、マット飼育、菌糸ビン飼育があります。

昔は、材やマットで飼育するのが普通でしたが、現在の主流は菌糸ビンでの飼育となります。



飼育するスペースが少なくて済み、大型を育てられる可能性があるからです。

材飼育

オオクワガタの幼虫(木材)

自然界のオオクワガタは、キノコの菌によって分解され、朽ちた木材をエサとして育ちます。


この朽ちたクヌギやコナラの木材に産卵をし、そのまま成虫になるまでを過ごすことになります。


キノコの菌により分解されていない材は、食べることが出来ないのです。

この自然界に近い方法で、飼育する方法が材飼育となります。

朽ちた木材を用意しその中に幼虫を入れ、管理をしていきます。


材自体が大きいので、スペースをとってしまい、途中の状態を確認するが出来ません。


さらに、マット飼育や菌糸ビン飼育と比べて、栄養分が少ないので、大きく育てることは難しいのと、飼育期間が長くなってしまいます。


しかし、一番自然界に近い方法なので、おそらくストレスなどが少なく、個体もきれいな状態で羽化します。

マット飼育

オオクワガタの幼虫(マット)

クヌギやコナラなどを粉砕し細かくしたものを発酵させたものがマットになります。


このマットを使用し飼育ケースもしくは、ビンなどに入れて育てます。

材飼育より、スペースを取らないことと観察することが容易となります。



さらに材飼育より栄養価が高いものが多いので、早く成長し大きくなります。

菌糸ビンの方がより大きくなるのですが、発酵マットの方が価格は安く済みます。


日々の手入れとして、3か月に1度くらいのマットの交換が必要となります。

菌糸ビン飼育

オオクワガタの幼虫(菌糸ビン)

菌糸ビンとは、クヌギやコナラを粉砕したオガ紛(おがくず)をキノコ菌で分解させ、専用のビンに詰めたものとなります。


キノコの菌には様々なものがありますが、オオクワガタの場合は、オオヒラタケ・ヒラタケ菌を使用します。

本来は、キノコを栽培するため作られたものでしたが、幼虫の飼育にも良いのではと考えた方が使用し始めたのがきっかけとなります。



菌糸ビンは様々なところから販売されていて、独自の研究により成分調整などをして日々進化しています。

もちろん、自身での調整も可能で、独自の配合で育てている方もいます。



菌糸ビンの種類にもよりますが、大体、3か月程度で劣化してきてしまい、栄養分が少なくなりますので、この期間で交換をしていきます。


菌糸ビンを使用する場合に、温度管理が必要となり、20~25度くらいで管理する必要があります。

菌糸ビンは高温に弱く、温度が高くなると菌であるバクテリアが弱まってしまいます。


逆に温度が低すぎると、キノコが生えてきてしまい、栄養分を吸い取らてしまいます。

ただ、キノコが生えてきてしまった場合は、取り除けば問題はありません。



大きくなることだけを狙っていないのであれば、そこまで徹底した管理をしなくても大丈夫です。


夏場に高温になるのであれば、早めの交換をするようにし、冬場はキノコの除去を定期的に行うなどです。

冬場はある程度の気温まで下がると冬眠状態となりますので、そのままとしてあげるのも自然な流れでもあります。

温度管理の必要性

部屋の温度管理

自然界のオオクワガタの幼虫は、寒さの中を過ごしています。そのため低温には強く、寒い温度帯になれば冬眠状態となります。

室内の飼育であれば、極端に寒くならなければ問題なく成長します。

しかし、2つの問題があります。



成虫になるまでの期間が長くなってしまうのと大きくならない可能性があるのです。


せっかく育てるのであれば、大きくなり、出来るだけ早く成虫になって欲しいと考えるものです。

オオクワガタは成虫になってからは大きくなりませんので、幼虫の時期にどのくらい成長したかで大きさが変わってきます。



ようするに幼虫の時期にどれだけの期間を過ごして、どれだけのエサを食べたかが重要になります。

冬時期に冬眠状態となり成長が止まってしまうと、温かくなり活動を開始ししますが、タイミングが悪いと、また寒い時期になってしまいます。


ある程度の温度がないとさなぎとなり成虫に羽化出来ませんので、その分長く育てる必要が出てきます。

ベストな飼育方法として、冬の時期でも出来るだけエサを食べさせることで、より大きくなります。

しかし、逆に温度を高く維持すれば良いかと言うと、それもダメです。


すぐにサナギとなってしまい、大きくならないのと、幼虫が一度冬を体験しないとサナギにならない可能性があるからです。

最低の温度を18度くらいにするとエサを食べる状態ですので、出来ればこの温度で保つことが大きくする秘訣となります。

どんな飼育環境で育てれば良いのか?

どのような飼育環境で育てれば良いのかですが、下記の環境があります。

  • ブリーダールーム
  • 専門の飼育装置
  • ワインセラー
  • DIY(自作)で作成
  • 常温飼育

この中で、自分にあった環境で育てることになるのですが、場所の確保と費用などが大いに影響します。

ブリーダールーム

ブリードルーム(エアコン)

エアコンを備え、1年中の温度管理を可能とした環境で、幼虫を育てる部屋になります。


細かい温度調整が出来ますので、大型のオオクワガタやたくさんの数を育てるには必須となると思います。

ただ、電気代は相当かかってしまうので、実際にクワガタの売買をしている方などがほとんどではないでしょうか。



個人の趣味だけでここまでの設備を整えられるのあれば、かなり恵まれた環境だと思います。

本気でブリードするための環境を持てるので、クワガタ飼育をしている人の憧れであり、いずれはこのような設備を整えて飼育したい環境となります。

専用の飼育装置

選抜

シーラケース社が販売している「冷やし虫家HI」という商品があります。



冷暖房付きの昆虫飼育室となり、温度管理を細かく行うことができ、かなり大きなものとなります。


大きさは、奥行46cm、高さ46cm、横幅88cmで、重さは19kgあります。値段も高く、49,500円(税込み 2020/10/11時点)します。

半分のサイズのものもあるみたいです。(こちらは35,000円)



温度管理について、しっかりしてもらえるので、とても安心で楽に管理ができます。


この製品は、昆虫飼育界では有名でかなり評価が高いものです。

置くスペースが確保できて、費用と飼育する個数が合えばとてもおすすめのものとなります。

ワインセラー

ワインセラー

ワインを保管するために用いられるボックス(冷蔵庫みたいなもの)に幼虫を入れて管理します。


ワインセラーの性能により、管理できる温度帯が違ってきますが、夏場にはとても便利だと思います。

オオクワガタの飼育をしていて、一番問題となるのが、夏場の高温対策になりますので、そこを解決できるのがとても良いです。



低温の管理が出来ないものの場合は、パネルヒーターなどを組み合わせて使う必要があります。

温度の監視をして、寒くなってきたらパネルヒーターを稼働させるイメージです。


見た目が良いものが多くデザイン性がありますので、リビングなどに置いてもカッコ良いと思います。

DIY飼育環境

DIY(自作で作成)

部屋の一角に幼虫を管理するスペースを作り、温度管理をする方法になります。


よくあるのが、フレームラックなどを組み、回りにビニールカバーをかぶせます。そして、パネルヒーターで温める方法です。


しかし、夏場に冷やす環境を考えなければいけませんので、別途対策が必要となります。


例えば、夏場だけエアコンで対策するとか、風通しを良くして扇風機を当て続けるなどになります。

常温飼育

ルーム(常温の部屋)

温度の変動が少ない部屋や廊下などで飼育する方法となります。

極端に寒くならない環境であれば、冬眠状態になり、暖かくなってから活動を再開します。



一番簡単ではありますが、冬の時期にエサを食べなくなるので、大きくなる可能性は低くなります。

まとめ

オオクワガタを育てるのであれば、出来るだけ大きくなって欲しいし、出来るだけ早く成虫になって欲しいと思うのではないでしょうか。


菌糸ビン飼育の発明により、管理が楽になり観察も容易に出来るようになりましたので、本当に感謝の気持ちが大きいです。

しかし、より大きく育てるためには、温度管理が重要となり、全ての人が万全の体制で飼育できるとは言えません。



ブリーダールームなどを確保できるような方は、ごくわずかで、専用ボックスやワインセラーなどを用意する費用と場所を確保できる方も少ないのではないでしょうか。

おそらく常温飼育下で、何か工夫して温度管理をして育てている方が多いと思います。




ギネスに載るような大型のオオクワガタを育てることは難しいかもしれませんが、菌糸ビンと常温飼育下(何か工夫)をした環境でも十分に大きく育てられますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。