オオクワガタ幼虫(菌糸ビン交換2)

「なんか年々飼育してる数が増えてねーか!コラ!


「そんなにたくさんだったら費用どんだけかかっとんねん!!」


家族がいる人が、オオクワガタを育てている場合は、こんな会話がよくあるのではないでしょうか。


私の家でも、このようなツッコミをされます。しかし菌糸ビンの交換を自らやることで節約できているので、思ったよりは費用が抑えられています。



今回は、菌糸ビンを再利用し、菌糸を自身で詰めることにより、どのくらい費用が抑えられるのか、どのくらいの手間がかかるのかを検証してみたいと思います。

使い終わった菌糸ビンは再利用できる

菌糸ビンの再利用

菌糸ビンは再利用することが出来ます。


簡単に言うと、ボトルに詰める菌床ブロックというものが売られていて、菌糸ビンをきれいに洗って、このブロックを詰め直せば、再利用が出来るのです。




ただ問題は、この詰め替え作業が面倒であり使用できるまでに時間がかかるということです。


作業自体は、難しいことはなく、清潔な環境で行うことと、詰める時の固める力加減さえ分かってしまえば簡単です。


詰めた後は、7~10日間くらいをかけて菌糸が回るように置いておく必要があります。



費用が果たして、どのくらい安くなるのか、どのくらいの作業時間が発生するのかを計算し、本当に再利用すべきかの検討をしてみたいと思います。

菌糸ビンの交換費用

菌糸ビン交換の費用計算

そもそもオオクワガタの幼虫飼育で、菌糸ビンは何本くらい使うのでしょうか。


飼育する方針や環境にもよりますが、大体下記のようなイメージとなるのではないでしょうか?

オス/メス交換本数使用容量
オス3~4本800cc(最初)、1400cc
メス2~3本800cc

もちろん、500ccや1100ccなどを使う方もいるので、一概には言えませんが、ここでは、これを基準に費用を求めてみたいと思います。



費用の計算に、月夜野きのこ園の「Element」シリーズの透明ボトルの菌糸ビンを使います。

菌糸ビン名 価格
EP-800(800cc) 350円
EP-1400(1400cc) 560円
2020/11/3時点(税込み価格)

菌糸ビン1本の価格は、このぐらいになります。比較的安い菌糸ビンだと思います。



次に、オスとメスで使用する菌糸ビンの大きさや本数が違いますので、それぞれ算出してみます。

オス/メス 合計金額
オス(800cc1本、1400cc3本) 2,030円
メス(800cc3本) 1,050円

幼虫が成虫になるまでの金額は、1頭あたり、このぐらいの金額となります。



もちろん、本数の誤差や、購入する時の送料なども出てくるので、単純には言えませんが、節約の基準となる価格はこちらの金額で行います。

いくらの節約になるのか?

いくらの節約になるか

では、どのくらいの節約になるかを計算してみたいと思います。


多くの頭数を飼育するのであれば、かなりの節約になってきますので、頭数を変えながら比較してみたいと思います。



菌糸ビンだけの費用となっていますので、詰める時に必要となる道具や送料などは考慮していません。

使用する材料は、月夜野きのこ園のものとし、下記がそれぞれの価格になります。


ボトルについては、透明タイプのものを選び、菌床ブロックについては、「Element」シリーズのものとしています。

ボトルや菌床ブロックは他のタイプもあり、もう少し安いものも存在します。

商品名 価格
Pクリアボトル800(空ボトル) 167円
Pクリアボトル1400(空ボトル) 235円
E-Block(菌床ブロック3500cc) 607円
2020/11/3時点(税込み価格)

E-Block(菌床ブロック)は、1つで、800ccなら4本、1400ccなら2.5本分となります。


交換時期に、空のボトルを用意し菌床ブロックを詰めるので、1頭に対して、複数のボトルが必要になります。


オス、メスの場合に分けて、未使用のボトル本数、菌庄ブロック(小数点まで求めた個数)で、価格を計算してみます。

オスの場合
商品 個数 価格
Pクリアボトル
800
1個 167円
Pクリアボトル
1400
2個 470円
E-Block
(菌床ブロック)
約1.5個

約911円

合計 1,381円
メスの場合
商品 個数 価格
Pクリアボトル
800
2個 334円
E-Block
(菌床ブロック)
約0.7個 約425円
合計 759円

かなり安くなりました。成虫になるまでにかかる費用としては、満足できる価格ではないでしょうか。



これは、初年度の費用となり、2年目にボトルを再利用すると菌床ブロックの費用だけですので、さらに安くなります。


もちろん、ボトルが再利用可能でなければなりませんし、フタについているフィルターの交換なども必要になると思います。


ボトルは、2~3年は全然使えると思います。たまにボトルに穴を空ける幼虫もいますが、数十頭に1本程度の割合です。

下記に飼育頭数ごとに再利用しない場合と再利用した場合(1、2年目)を表にしてみます。オスメスは、半分ずつの想定とします。

頭数 再利用なし 再利用
(1年目)
再利用
2年目)
10頭 15,400円 10,700円 6,680円
20頭 30,800円 21,400円 13,360円
30頭 46,200円 32,100円 20,040円

1年間で、ボトルを入れ替えた場合は、約30%のコストダウンとなりました。


2年目もボトルを使用すれば、再利用なしと比べて、半額以下の費用となりそうです。




実際には、送料や菌糸ブロックの余り、フタのフィルター交換、ボトルの再購入など、もう少し費用はかかってくると思います。


ただ、かなりの費用削減にはつながりそうです。菌糸ブロックの分だけで済むのであれば、とても魅力的な金額ではないでしょうか。

交換作業にかかる時間

作業時間(砂時計)

まず最初にどのようなことをやるのかと実際にかかった時間を表にします。



菌床ブロック8個、22本の菌糸ビンを詰めたときのおおよその時間になります。



途中に休憩などもしていたので、実際の作業はもっと少ないと思います。

作業内容作業時間
使用済み菌糸ビンを洗う15分
洗った菌糸ビンを乾かす(天日干し)60分
菌糸ビン&各道具をアルコール消毒5分
菌床ブロックの周りを削る15分
菌床ブロックを粉々にする15分
菌糸ビンに固めながら詰める60分
穴を空ける5分
7~10日程度放置
合計175分

およそ3時間くらいとなりました。天日干ししている時間もかなりありますので、作業自体の時間はもっと少なかったです。



飼育する頭数により、菌糸ビンを交換する本数が違くなると思いますが、手間と交換した場合の費用を天秤にかけて、どちらを選ぶかです。



飼育数により、この時間も変わってきますが、その分の費用も変わりますので、比率的には大体同じようなになります。


もちろん、今回の例で使用した菌糸ビン以外だと価格も違ってくると思いますが、大体の感覚は同じ程度ではないでしょうか?



私は、断然交換する道を選んでいます。



そもそも手間をかけて育てていくという楽しさがありますし、出来るだけ安く大きなクワガタが羽化してくれると嬉しさも倍増します。


時間がもったいない人は、再利用などしない方が良いですし、費用を抑えたいなら、やるべきです。

道具の準備

菌糸ビン交換の道具一式

菌糸ビンの交換を行う時に使用する道具について説明します。


必要なものと用途、必須かどうかを表に記載しています。作成する数が少なければ、不要なものもあると思います。

結構、100円ショップなどで手に入るものが多いので、似たようなものを見つけて代用してみて下さい。

道具必須用途
アルコール消毒道具の消毒用
手袋作業用、雑菌混入を防ぐ
ナイフ、カッター菌床ブロックの回りを削る
すりこぎ菌糸ビンに詰めるのに使用
さいばし、長い棒菌糸ビンに穴を空ける
衣装ケース
(大き目)
崩した菌床ブロック入れ
園芸用スコップ崩した菌床をビンに詰める
金網菌床ブロックを削る

アルコール消毒

菌糸はとても弱いので、他の菌が混ざってしまうと菌糸がちゃんと回らなくなってしまいます。


菌糸に触れるような道具については、全てアルコール消毒をする必要があります。

食器用の洗剤などでしっかり洗っているのであれば、菌の混入はないかもしれません。



しかし、雑菌は見えませんので、後で後悔するよりかは、しっかりとアルコールで消毒をしておいた方が間違いがないです。


家庭用のテーブルなどを除菌するようなスプレータイプのもので問題ありません。

手袋

手袋は、菌庄ブロックを扱う場合に異物やとがった朽ち木部分で怪我をしないようにします。


それ以外に、手についてしまう雑菌を出来るだけ防ぐ役割もあります。

手に直接アルコールを付けて、やってしまうという方もいます。

ナイフ、カッター

ステーキ用のナイフや、ペーパーナイフ、パン用ナイフなど、少し長めのものが使いやすいです。


菌糸ブロックの回りについている白い部分を取り除くのに使用します。


私は、100円ショップで見つけたペーパーナイフを使用しています。

すりこぎ

細かくした菌床ブロックをビンに詰める時に使用します。


何回かに分けてビンに詰めていくのですが、その時に、ある程度固めていく必要があります。



専用のプレス機などもありますので、予算に応じて購入すると作業が楽になります。

さいばし、長い棒

菌糸ビンを詰め終わった後に穴を空ける為に使用します。


真ん中に穴を空けてあげることで、菌糸が回るのを高める効果があります。

私は、マイナスドライバーの先端が長いものがあったので、それを使っています。

衣装ケース(大き目)

これは、たくさんの菌糸ブロックを使うのであれば必要となります。


菌糸ブロックの外側の白い部分を削りとり、その後に細かくしたものをケースに入れていきます。


最初に詰める分のブロックを全てこのケースに入れて詰める作業をするという訳です。

なければ、大きなごみ袋などで代用しても良いと思います。



私は、近くのホームセンターで売っていた、衣装ケース(698円)で作業しています。

大きさは、菌糸ブロックが10個くらい入る大きさのやつです。

園芸用スコップ

菌糸ブロックを細かくしたものをビンに詰めるのに使用します。


そのまま、手で詰めていくのであれば、別になくても問題ありません。

金網

菌糸ブロックを細かく崩すのに使用します。


バーベキューなどで肉を焼く網のようなものです。出来れば少し丈夫で、尖がった部分があると削り安いです。


金網に菌糸ブロックを押し当てて、動かしながら削っていきます。


ブロックの数が多いと、崩す作業がとても大変になりますので、あった方が断然作業が楽になります。

10ブロックも崩すと握力を相当使います。


少ない数であれば、手で細かく崩しても良いと思います。

実際の菌糸ビン交換作業内容

菌糸ビン交換の作業

使用済み菌糸ビンを洗う

まずは、使用済みの菌糸ビンの洗い作業です。食器用の洗剤を使ってしっかりと洗っていきます。



月夜野きのこ園の菌糸ビンは、ふたの部分が分離でき、中のフィルターを取り外すことができます。


この部分も分解して、きれいに洗っていきます。

その後に、適当に天日干しして乾かしていきます。

道具のアルコール消毒

乾いた菌糸ビンや使用する道具を全てアルコールで消毒します。


手袋や菌床ブロックを入れるケース、詰める道具など全てを消毒してあげます。


この時の注意点として、菌糸ビンの中にアルコールの液が残ったまま、菌糸詰めを行ってしまうと、その部分の菌糸がしっかりと回らなくなってしまいますので、ティッシュなどで拭きとっておく必要があります。

菌床ブロックの準備

菌床ブロックは、まわりが白くなっています。使用する時は、この白い部分を全てそぎ落とします。


大体で問題ないので、長いナイフなどで削っていきます。

私は100円ショップで購入した、ペーパーナイフを使用しています。


そぎ終わった菌床ブロックは、ケースなどに入れて粉々にしていきます。

菌糸ビン詰め作業

粉々にした菌床ブロックを菌糸ビンに詰めていきます。

特に加水などする必要はありませんので、3回くらいに分けて入れて、固めながら詰めていきます。



詰める硬さですが、男性の力で思いっきり強く固める感じではなく、すりこぎなどで、軽く叩きながら入れます。


柔らかく詰めすぎると隙間ができてしまい、水が溜まる原因になったり、その部分にキノコが生えてしまいます。


最初は、適正なグラム数が記載されていますので、はかりで確認してみると良いです。

上部は目いっぱいまでは入れない方が良いです。

中のマットがフタの通気口ふさいだり、通気性が悪くなることにより、幼虫の成長に悪影響が出てしまいます。

菌糸ビン(穴あけ)

最後に、菌糸ビンの真ん中に穴を空けてあげます。菌糸の通気性を良くして菌が回りやすくする為です。


これは、さいばしや長い棒状のものなどで押し込みます。

菌糸ビン経過状況



経過状況

詰めた菌糸ビンに菌が回るのに大体7~10日くらいかかります。


温度帯は20~25度くらいが良いとされ、23度がベストとなります。

1~10日目までの経過状況がどんな感じかを載せておきます。

日数状態
初日菌糸ビン交換経過状況1
1日目菌糸ビン交換経過状況2
2日目菌糸ビン交換経過状況3
4日目菌糸ビン交換経過状況4
6日目菌糸ビン交換経過状況5
8日目菌糸ビン交換経過状況6
10日目菌糸ビン交換経過状況7

配置や大きさ、反射などで見にくいですが、日数の経過とともに徐々に白さが増していっています。



最初の数日は、なかなか白くなりませんでしたが、後半で菌が回ってきた感じです。


10日間放置したあとで、幼虫を投入しています。投入からさらに時間が経つと、回りがもっと白くなっていきます。



ちなみに、私の環境ではブリーダールームはないので、リビングに放置していた感じです。

温度帯は、20~22度くらいでした。

良い方向に転がる

良い方向に向かう

「なんか年々飼育してる数が増えてねーか!コラ!」


「いや・・そんなことはありません・・」


「そんなにたくさんだったら費用どんだけかかっとんねん!!」





「いや・・〇〇円です」


「ほう、意外に少ないが、ぶつの数と合ってないのー」



ここで、菌糸ビンの交換作業により、節約している話しをするのですが、もしこれが、ある程度の金額に達していると多分こんなことになると思います。


「ほう・・どこにそんな金あるんだ、コラ!」

「これから、その分のお小遣いなしだからな」



「いや・・これは節約を頑張っただけでして・・」



手での威圧
「ほほう・・口答えするつもりか!?」


「・・・」



そう、神(よめ)にとっては、昆虫飼育をすることの優先度は低いのです。


あまりにも派手に使っていると疑惑の目を向けられ面倒なことに巻き込まれるということです。




飼育する数が増えてくると、飼育場所の確保と費用がかかってきます。


もしこれが、費用も莫大にかかり、頑張って飼育もしていなければ、飼うこと自体を反対されるかもしれません。



正直、実際にかかっている総額を神に言うことはできません・・ある程度、割り引いた額を言っています。

もちろん節約しているので、実際の金額を言っても良いのですが、万が一の事態を想定して控えめになってしまうのです。


私が、菌糸ビンの交換を行っている理由として、単純にオオクワガタの世話をする過程を楽しんでいるというのもあります。


私は楽しんでいるだけですが、頑張って節約をして、趣味を細々と楽しんでいると映っています。



これは、思わぬ誤算です。そこまで頑張っているなら、少しくらい認めてやろうという訳なんです。

今後の拡張計画を進めるにも良い足掛かりになるということです。

まとめ

費用を抑えたいけど、菌糸ビンの交換をするのは、面倒くさいと思っている方が多いと思います。


しかし、実際にやってみると難しいとかではなく、無心で作業に没頭できて結構楽しいです。



節約できる金額と作業をする手間を比較してみて、どちらが良いかを一度検討してみても良いのではないでしょうか?

もしくは、私と同じ偽装工作により、さらなる拡張計画を練るのも楽しいかもしれません。



慣れてくれば、どんどん作業時間も少なくなりますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。